BIO GENESIS
作詞:Hora 作曲:Hora

〜全能に進化する細胞 そう 今 全てを凌駕せんがために生まれし思考 起動〜

New Vogue Childrenトラック6 お気に入り度:★★★

歌詞・曲ともHora。Hora色100%の作品。
brutal replicant(ブルータル レプリカント:残忍な人工生命体)
という肩書きで売り出していたHoraですが、
まさにその言葉の示す通りの歌詞になっています。

テーマは、Hora色の強い曲全てに一貫していますが、
肉体を超越した知性、つまりは人の持つ知性を生物の本能から
切り離してしまいたいという衝動を歌ったものです。
仏教で言えば、悟りを開くという状態に近いものを求めている事になるでしょうが、
このテーマは果てしなく深いです。
それゆえ、非常に興味深いので、私はHoraの歌詞は大好きです。

人は知性を持ち、物事を理性的に考えているようですが、
その実、動物的な本能に逆らえる事はなく、
結局の所、その行動は本能の命ずるままというのが真実といえます。
しかし、それを指摘されると私たち人間はいい気はしないですよね。
私たちの知性の部分は、動物的な本能に踊らされる事を望んではいないのです。

Horaの歌詞ではその部分を徹底的に突き詰めていこうとしています。
しかし、その追求の果てにある、本能を超越した知性の究極像は
もはや生命と呼べるようなものではなくなってしまうのも真実なのです。
逆説的に・・・、では生命とは何なのか、知性を持つ人間は何を目指すべきなのか、
という問いかけをHoraの歌詞はしているともいえます。

肉体の本能を超越した知性=人工的に作られた知性・・・
これは即ち、既に生命とは呼べない冷徹な構造体といえます。
その生命と言えない様な究極像を、Horaはbrutal replicantと称している(と思う)。
そう考えると、Horaの書く言葉には非常に深みを感じるのです。

ということでお気に入り度をマックスにしたいところなんですが、
正直、この曲って歌じゃなくって終止シャウトなんですよね。
今一そこが好きになれなくて、未だに歌詞も覚えていないので、
その点でお気に入り度を下げざるを得ないです。
曲も良いし、歌詞も良いんですけど、歌詞にメロディーがないのが残念ですね。

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